ゲノム編集先端 人材育成プログラム

活動報告

2021年10月28日、広島大学先端科学セミナー「“ゲノム編集”で未来社会を拓く」の令和3年度第3回セミナーをウェブセミナーで開催しました。

第3回目は、自然科学研究支援開発センター 大学院統合生命科学研究科 田中 伸和教授が「どうすればゲノム編集生物を遺伝子組換えから解放できるか?」と題して講演しました。

本講演は、遺伝子組換え生物を規制するカルタヘナ法の歴史と規制対象の話から始まり、田中先生の研究、遺伝子組換え生物とゲノム編集生物の定義の違いなどの説明へと続きました。 ゲノム編集の過程で核酸を用いるとカルタヘナ法で規制されてしまいますが、タンパク質を用いる、または核酸を用いる場合でも生物の体内に残存する核酸の有無を確認することで、規制対象から外れることなどの説明がありました。 また、核酸の残存有無を確認する各手法に触れ、一般的な使用(開放系)を認められたトマトやマダイの事例の紹介があり、今後の展望として事例開示が進んで核酸の残存確認の手法が標準化されれば、 開放系での届け出が増えていくことや規制対象外にできる基準を提案することが必要になるというお話がありました。

広島大学先端科学セミナー「“ゲノム編集”で未来社会を拓く」は、卓越大学院プログラム「ゲノム編集先端人材育成プログラム」の担当教員等が、広島大学の強みであるゲノム編集技術に関する取組みを紹介し、ゲノム編集技術の“今”と“未来”についてわかりやすく解説します。セミナーは全4回を予定しており、次回以降も詳細が決まり次第、「ゲノム編集先端人材育成プログラム」のホームページ等でご案内してまいりますので、ぜひご参加ください。

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