ゲノム編集先端 人材育成プログラム

修了生の活躍

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ゲノム編集の創薬治療開発者

苦手を克服し、ゲノム編集技術を通じてヒトの健康に貢献する新たな可能性を切り拓く
University of California, San Diego,
Halicioğlu Data Science Institute/
広島大学大学院 統合生命科学研究科 所属
成松 勇樹さん
ライフサイエンスコース
大学院統合生命科学研究科博士課程後期
2023年修了

<職務経歴>

勤務先(部署名)・職名職務内容
広島大学大学院 統合生命科学研究科   
特任助教
2023.10 - 現在
新規神経ペプチドを起点とした脂肪蓄積の中枢制御機構の解明
University of California, San Diego,
Halicioğlu Data Science Institute
Visiting Scholar
2024.4 - 現在
妊娠期の肥満や生活習慣病発症に関連するヒトゲノム領域の解明

― ゲノム編集先端人材育成プログラムを履修したきっかけは?
ゲノム編集技術の急速な発展に伴い、自身の研究でも同技術の必要性を感じました。当該分野に苦手意識があった私は、専門知識を身につけたいと考えました。また、研究を始めた当初から「ヒトの健康に貢献できる研究」をしたいと考えており、基礎研究を社会に実装させるプロセスにも興味があったため、履修を決意しました。

― インターンシップではどんな学びがありましたか?
インターンシップでは、生理学研究所の箕越靖彦教授(現・椙山女学園大学教授)および近藤邦生助教(現・鳥取大学准教授)から遺伝子改変マウスを用いた代謝調節学的解析技術をご教授いただきました。研究のディスカッションはもちろん、最先端の実験手技を拝見したり、自身が行った実験を研究分野の第一人者の先生方に評価していただいたりする機会を得て、貴重な経験となりました。

― プログラムで学んだことがどのように活きていますか?
プログラム履修前はコンピュータを用いて生命のデータ解析を行うDRY解析に大きな苦手意識がありました。しかし、バイオインフォマティクスの講義で実際に手を動かして試行錯誤を重ねた結果、苦手意識を克服することができました。現在はアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校にて、ヒトの疾患や時系列生体情報(体温や心拍数など)に関連するゲノム領域の特定を目指してDRY研究を行っています。

― 学生時代に思い描いていたキャリアパスと現在のキャリアについて教えてください。
学生時代に考えていたキャリア:
WET解析の専門知識を備えた、肥満・生活習慣病問題解決に貢献できる基礎研究者
現在のキャリア(将来への期待も含め):
DRYとWETの二刀流で、ヒトの健康に広く貢献できる基礎研究者
私は学位取得時まではWET解析(動物や細胞等の生体サンプルを用いた解析)を主にやってきましたが、上記の講義を通してDRY解析の面白さと可能性に魅せられました。アカデミアの基礎研究者として引き続き研究していく中で、どうすればヒトの健康により広く貢献できるかを考えた結果、「DRYとWETの二刀流」になることが最善だと考え、現在のキャリアを選びました。

― 後輩(プログラム履修学生)に向けてアドバイスをお願いします。
本プログラムを通じて、「苦手を克服するように挑戦し続けた結果、全く新しい世界が広がった」と感じています。昨今の生命科学研究では、ゲノム編集をはじめAIやオルガノイドなど、様々な技術の発展が目覚ましいです。時には技術の発展スピードについていけず、苦手意識が芽生えることもあるかもしれません。しかし、苦手分野でもほんの少しだけ挑戦してみてはいかがでしょうか。挑戦し続ける限り可能性は無限大だと信じています。


*所属・職名等は2025年1月時点のものです。